ビル需給ひっ迫続く
仲介会社調べ
東京都心5区
今後に警戒感も
三鬼商事がまとめた8月時点の東京都心5区のオフィスビル平均空室率(基準階100坪以上)は前月と同じ1.71%だった。
前年同月に比べると0.74ポイント低い。
新築ビルが一部で募集面積を残して竣工したことや、既存ビルでも大型ビルで募集開始の動きが見られたものの、大型空室の一部に成約が進んだことなどから、全体の空室面積に大きな変動はなかった。
1坪当たりの平均賃料は、前月よりも119円上昇し2万1784円。
前年同月よりも1493円高い。
賃料上昇は68カ月連続。
三幸エステートによる都心5区大規模ビル空室率(基準階200坪以上)は、前月比0.06ポイントと小幅ながらも低下し0.72%だった。
18年6月から14カ月連続して1%を下回る水準が続く。
かつてない品薄状態が長期化する中、底堅い需要と既存ビルでの募集床不足から、引き続き建築中ビルが、まとまった面積の需要を集めている状況が続く。
募集賃料は3万244円と小幅(前月比13円)に下げたが、品薄感の高まりを背景に新規賃料だけでなく継続賃料でも引き上げの動きが広がっている。
賃料は依然として上昇基調を維持しているが、テナント側の賃料負担力との間に開きが生じるケースが見られるとする。
米中対立の激化を受け世界的な株安と円高が進行しており、GDP成長率を押し下げる可能性が高まっている。
消費税率引き上げ、オリンピック後に訪れる景気への反動など、景気マイナス要因を控え、GDP成長率予測が下方修正されれば、空室率予測は上昇ペースを上げることになると見る。
※週刊住宅タイムズ より