首都圏8月流通
中古住宅の成約好調
レインズ調べ
前年比2~4割の増加
東日本不動産流通機構(東日本レインズ、山代裕彦理事長)は、中古住宅の流通動向をまとめた。
8月の中古マンションを見ると、首都圏の成約件数は、2584件と前年同月比12.2%の2桁増加となった。
8月として同機構発足以降の最高記録。
平均価格は3461万円(同4.3%上昇)となり、1平方メートル当たり単価も同3.4%上昇とともに7カ月連続で1年前の価格水準を上回った。
在庫の件数は、4万8157件(同3.8%増)で51カ月続けて増えている。
前の月との比較でも1.4%増加した。
成約件数が増えているのに在庫が積み上がっている。
単価の高い物件で新築マンションとバッティングしているケースや相場を誤って強気の値付けなどが影響しているとの見方が少なくない。
地域別に成約数を見ると、多摩と神奈川県他を除いて増えた。
都区部は前年同月比20.3%と大幅に増加して1127件だった。
千葉県も308件(同23.2%増)と2割超の増加率となった。
多摩は横ばい249件。
横浜・川崎市は441件(同7.8%増)、埼玉県が286件(同1.4%増)、神奈川県他が173件(同1.7%増)だった。
単価ベースで見たマンション成約価格では横浜・川崎市と神奈川県他が2.7~5.5%下げたほかは上昇している。
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中古戸建住宅では、首都圏の成約件数が965件(前年同月比20.9%増)と2桁増加し、平均価格は3030万円(同4.5%下落)と下げた。
在庫件数は2万2058件(同11.7%増)と27カ月連続で増えている。
地域別に成約数を見ると、横浜・川崎市を除く各地域が前年比で大幅に増加しており、都区部は178件(42.4%増)と5カ月連続で1年前の同じ時期の水準を上回った。
多摩は124件(同18.1%増)と3カ月連続で増えた。
埼玉県は194件(同30.2%増)、千葉県も210件(同22.1%増)、神奈川県他(同12.6%増)だった。
横浜・川崎市は134件(1.5%減)となった。
戸建て成約の平均価格は、都区部が5109万円(前年同月比14.5%下落)と7月に続いて2桁落ち込んだ。
多摩も2954万円(同4.6%下落)だった。
横浜・川崎市は3907万円(同6.7%下落)、神奈川県他は2558万円(同0.5%下落)となった。
埼玉県は2024万円(同3.3%上昇)で7カ月続けて前年同月を上回った。
千葉県も1962万円(同7.7%上昇)と上がった。
宅地・戸建ての成約が増えている背景について、「新築マンションの供給が少ないことに加えて、土地の大きい相続案件で土地が細分化して売られるなどのケースもある」(仲介大手)といった声も挙がっている。
※週刊住宅タイムズ より