首都圏
マンション
割高感トップは渋谷
2018年新築
賃料見合い調査
「割安1位 京王多摩センター」
東京カンテイは5月8日「2018年新築マンションPER」を発表した。
マンション価格を1年間の月額賃料から割り出した数値で、その値が低いほど賃料見合いで割安とし、PERの値が高いほど割高で買いにくいと判断する。
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首都圏を見ると、全体平均のPERは24.96となり、平均の月額賃料は24万1631円(前年比7.4%上昇)だった。
総体的に収益性は悪く投資金額の回収期間が延びる傾向にあるとした。
最もPER値の高い渋谷は、賃料換算で首都圏平均回収期間約25年との比較で16年以上も余計に回収期間がかかるとした。
ただ、同社によれば、市場全体として買いづらい状況にあるが、駅数で見ると、低PERの買いやすい駅が85、値が上昇した割高駅が73となっている。
一方、マンションPERの最低値は、京王相模原線の「京王多摩センター」で15.23だった。
70平方㍍換算の月額賃料は19万3368円。
割安2位はJR埼京線「武蔵浦和」(15.62)、3位につくばエクスプレスの「三郷中央」(16.16)となった。
割安感トップの京王多摩センターについて、上席主任研究員の井出武氏は、「昨年は徒歩15分やバス便の新規供給があったため割安感が高まった」と話すとともに、「賃料水準は19万円台で従来から約5万円と大幅に上昇した。
高額賃料の出所は駅から遠い新規の大規模マンションからだが実力以上の賃料設定になっている」と見かけ上の割安感だと指摘する。
こうした特定物件のバイアスによって見かけ上割安に映る駅として、三郷中央や千葉、柏の葉キャンパス、花小金井、八千代緑が丘、横浜、田端、目黒を挙げている。
例えば、目黒の場合は、東京建物が開発した駅前タワーの影響が強いとする。
1年前に2万円の坪賃料が1万5000円ほどに下げたが、依然として額面通りの割安感はないとする。
前年比で数値を最も下げたのは「青山一丁目」(22.71)だった。
前年の割高感トップだったが、22.55㌽低下した。
回収期間を22年以上短縮したものの、昨年は新築価格が3500万円ほど下げたことに加えて、駅近タワーマンションから高い賃料事例が発生したためで割高感は実質的に解消されていないという。
逆に前年から割高感が最も強まった駅は所沢(30.41)だった。
賃料水準がほぼ変わらない中で新築価格が32%上がったことが要因で30年以上の回収期間を要する。
近畿圏も割高感進む
「割安トップ」は尼崎
近畿圏のPER平均値は22.85と前年比0.64㌽上がり、13年を境に数値が上昇を続けている。
平均賃料も同1.4%上昇し17万5357円、新築価格が4803万円(同4.6%上昇)となった。
最も割安感があるのがJR神戸線「尼崎」(14.40%)14.40%で、賃料換算での回収期間は近畿圏平均よりも8年以上短いとした。
次いでJR環状線「大阪」(16.09)、京阪中之島線「中之島」(16.79)、大阪メトロ御堂筋線「天神橋筋六丁目」(07.08)、JR神戸線「西明石」(17.39)が割安感トップ5となった。
一方、割高トップは阪神本線「打出」(37.21)となり、購入資金の回収期間は近畿平均より14年以上余計にかかるとした。
次いで阪急神戸線「夙川」(32.89)、京都市営地下鉄東西線「二条城前」(31.62)、JR神戸線「芦屋」(31.45)、京都市営地下鉄烏丸線「今出川」(30.75)が買いづらい上位5駅となっている。
※週刊住宅タイムズ より