五輪後も伸びる需要
それに対する答えは各社異なるものの、共通しているのは「2020年以降もインバウンドは増える」「競争は激しくなるが、需要は確実に増加する」という見方だ。実際に大型開発ではオリンピック開催以降の開業になる案件も少なくない。
インバウンドの増加は五輪開催よりもアジア諸国の経済成長によるところが大きい。
現時点では、中国、韓国、台湾からの旅行者が多いがアジアには経済発展の真っただ中にある国が多い。
海外旅行が夢から現実に変わった30~40年前の日本と同じように、国が豊かになると海外旅行が可能になる人は増えると考えられるからだ。
初めての海外旅行として選ばれているのは、距離が近いことに加えて、安全や観光資源を考えると日本である可能性が大きい。
政府目標も五輪10年後に1.5倍である。
シービーアールイーが1月にまとめたホテル市場見通しでは、2020年にホテル客室数は東京23区・大阪市・京都市での三大マーケットで既存客室数の38%に相当する新規供給があるものの、東京ではなお、3500室が不足。
大阪・京都でも客室が足りずにほかの地域に流失している潜在需要が顕在化するため供給過剰の懸念は低いとした。
ただ、競争は激しくなる可能性が高い。新規供給の大半は宿泊主体型ホテルでビジネスホテルが中心。地域性や独自性を高めるなど差別化がビジネスホテル運営の鍵となると見ている。
※週刊住宅タイムズ 抜粋